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エアバイディングと均圧

公開:2018.10
更新:2020.03 加筆訂正、関連するコラム、製品を追加
エアバイディングとは
エアバイディング(空気障害)が発生するとドレンが正常に排出されません。
エアバイディング(空気障害)とはドレン排出装置(オートドレン)内の空気層がうまく抜けないために発生します。
例えばコップを逆さまにしてバケツに沈めるとコップの中の空気が抜けません。
これと同様にドレン排出装置内が圧縮空気で満たされていると、ドレンが流入することができず正常に排出できません。
関連するリンク
- コラム「圧縮空気除湿装置(エアドライヤー)とは」
https://www.hygro.co.jp/media/faqs/20181023-13 - コラム「冷却式(冷凍式)圧縮空気除湿装置(エアドライヤー)の仕組みと構成要素」
https://www.hygro.co.jp/media/faqs/20170621-5 - コラム「圧縮空気のドレン処理とドレン排出機構」
https://www.hygro.co.jp/media/faqs/20181002-11
オートドレンの仕組みと働き
圧縮空気に含まれるドレン(凝縮水)を自動で排出するオートドレンという装置があります。
オートドレンは圧縮空気(気体)を排出せずドレン(液体)のみを排出するようにできていますので、このオートドレン内が空気で満たされたときはドレンがドレン内におらず、エアバイディング状態でドレンを排出しないことは正常な動作といえます。
しかし、これではドレンを正常に排出することができないのでこれを解決する方法として均圧管を使用します。
関連する製品
均圧管のはたらき
オートドレン内の圧縮空気をタンクや配管内へ戻すことができればドレンは正常にオートドレンへ流れ込み、排出を行うことができます。
先ほどのコップの例で言うとコップの上にストローを繋げばそこから空気が抜け、コップが水で満たされるのと同じことです。
タンクや配管内に圧縮空気を戻す配管を特に均圧管といいます。
均圧管は文字通りタンクや配管内とオートドレン内の圧力を等しくするためのものですので圧力が高いタンクや配管に接続すると逆流が起きてしまいます。
均圧管はなるべくドレンを排出しているタンクや配管の近傍で接続してください。
均圧管の材質
均圧管は取回しがしやすいようナイロンチューブ(シンフレックスチューブ)や銅管で接続されます。
ナイロンチューブが普及する前は銅管で接続されていましたが、通常使用される常温前後で1.0MPa以下の圧縮空気では施工が容易なナイロンチューブが良く使用されています。
銅管での接続は信頼性が高く、高温や高圧に耐えますが、可とう性が低いために施工が難しく接続に専門的な知識や工具が必要です。
このため、銅管は主に高圧で使用される油圧回路で使用されています。
均圧管が細すぎると空気の抜けが悪くエアバインディングが発生してしまうため、当社では内径4mmのチューブを使用しています。
ドレンが出なくなる原因は均圧回路かも
オートドレンが正常でも均圧配管を接続していなかったり、均圧配管のバルブを開け忘れていたり、均圧配管が閉塞するとオートドレンは正常な動作をしません。
オートドレンを買い換える前にまず均圧回路を確認しましょう。
わかりやすく動画で
文章ではなかなかイメージし辛いエアバイディングを動画でご紹介しています。 ぜひご覧ください。
最後に
当社ではオートドレンとしてフロート式オートドレン弁SD-Bとドレンタンクを製作・販売しております。
オートドレン弁SD-Bは電源を必要とせず、大量のドレン処理に最適です。
ドレンタンクはドレンレベルセンサーと電動ボール弁を組み合わせており、エアーロスなく確実なドレン排出が可能です。
また、ドレン排出積算回数の確認や外部への異常出力も可能です。
どちらも弊社の圧縮空気除湿装置ハイグロマスターのドレン排出機構として標準で採用しており、信頼性の高い製品です。
お気軽にお問い合わせください。